及川医院
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胃カメラでピロリ菌をチェック!感染の有無と治療法を解説

ピロリ菌の検査は、胃がんや胃潰瘍などの病気を防ぐ上で非常に重要です。ここでは、ピロリ菌の基本的な知識や感染経路、引き起こす病気、そして胃カメラを用いた検査方法と治療について詳しく解説いたします。秋田市にお住まいの皆様はもちろん、健康に関心をお持ちの全ての方にお読みいただき、ぜひ定期的な検査をご検討ください。

ピロリ菌とは?

ピロリ菌に感染した胃

ピロリ菌(Helicobacter pylori)は、胃の内側に生息する細菌で、長期間感染することによって胃粘膜に炎症を引き起こします。1979年に発見され、以来胃潰瘍や胃がんとの関連が注目されるようになりました。ピロリ菌は、特殊ならせん状の形状を持ち、胃酸のような強い酸のなかでも生存できるよう進化しています。日本では成人の3人に1人が感染しているとされ、無症状の場合も多く、放置するとさまざまな胃の病気を発症する危険性が高まるため、早期発見・早期治療が推奨されています。

ピロリ菌はどうやって感染する?

ピロリ菌の感染経路は主に経口感染、つまり、感染者の唾液や汚染された水、食物を介して菌が体内に入り、胃まで到達するというものです。ピロリ菌は胃酸がまだ弱い子供の頃に感染すると言われており、一度感染すると除菌をしない限り胃に留まり続け、慢性的な炎症を引き起こします。日本においてピロリ菌感染のきっかけは、ピロリ菌を持っている親から子供への口移し、井戸水の使用などが原因ではないかと考えられています。なお衛生観念の変化や上下水道の整備により、近年のピロリ菌感染率は低下傾向にあり、1950年代生まれの方が2人に1人感染していたのに対し、2000年代に生まれた方は16人に1人まで低下しています。

ピロリ菌が引き起こす病気とは?

ピロリ菌は胃の炎症を引き起こすだけでなく、重篤な疾患の危険性も高めます。代表的なものとして、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などが挙げられ、さらに、慢性的に炎症がつづくことによって胃がんの発生リスクも増加します。

ピロリ菌と胃がんの関係性について

様々な研究によって、ピロリ菌感染者に胃がんが多いことが報告されています。ピロリ菌が慢性的に胃の粘膜に炎症を起こすと、萎縮性胃炎という状態になります。通常、胃の内側の細胞は数日で入れ替わっていきます。しかし、ピロリ菌は自分の住処を維持するために毒素を出し、その入れ替わりを抑えようとします。その結果、胃炎の状態が長続きし胃粘膜がどんどん萎縮していきます。ここに高塩分食や喫煙などさまざまな要因が関わり、胃がんが発生するのではないかと考えられています。

胃カメラでできるピロリ菌の検査方法

胃カメラ(内視鏡検査)は、直接胃の内部を観察することで、ピロリ菌感染の有無や胃粘膜の状態を確認することができます。先ほど述べた通り、ピロリ菌に感染し長い時間が経つと胃の内側は萎縮性胃炎などの特徴的な見た目になります。つまり胃カメラを用いることで、胃内を観察しピロリ菌に感染しているか、直接確認することができます。場合によっては胃粘膜の一部をつまんで取り、菌がいないかを調べる検査(生検検査)を行います。顕微鏡で菌を確認する方法(鏡検法)、ピロリ菌が作り出すアンモニアの反応を調べる方法(迅速ウレアーゼ試験)、胃粘膜を培養しピロリ菌が増えるかを確認する方法(培養法)などを行いピロリ菌の存在を確認します。検査結果に基づき、必要な場合は除菌治療を行います。

一次除菌

一次除菌とは、初回の治療として行われる除菌治療のことで、抗菌薬と胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬と組み合わせた治療法が行われます。抗菌薬は一般的に、アモキシシリン、クラリスロマイシン、メトロニダゾールといった抗菌薬が使用され、2種類の抗菌薬を組み合わせて内服します。また胃酸の分泌を抑える薬を併用することで、ピロリ菌による胃粘膜の損傷が軽減され、抗菌薬の効果が最大限に発揮されることが期待されます。これらの薬を朝、夕食後に合計7日間内服することになります。

二次除菌

場合によっては一次除菌で完全に菌を除去できないケースもあります。その際は、二次除菌治療として、異なる抗菌薬や追加の薬剤を用いた治療が行われます。二次除菌は、耐性菌の問題なども考慮しながら慎重に行われるため、より専門的な治療計画が立てられます。

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内科医のイメージ

胃カメラによるピロリ菌検査と適切な治療は、胃がんをはじめとする多くの病気の予防に繋がります。日頃からの健康管理と早期受診が、長期的な健康維持の鍵となります。 当院では、最新の内視鏡検査設備を備え、長年胃カメラ検査と治療を続けてきた医師が、患者様一人ひとりの症状に合わせた最適な検査・治療を提供しています。ご希望があれば鎮静剤を使い、眠った状態で胃カメラ検査を受けることもできます。胃の不調を感じる方、ピロリ菌がいるか心配な方、血縁関係でピロリ菌や胃の病気が見つかった方は、ぜひ一度ご相談ください。

医療法人及川医院 院長 及川圭介

この記事の監修者

及川 圭介

医療法人及川医院 院長 (医学博士)

経歴

1994年
日本大学医学部卒業
東北大学医学部消化器内科入局
2000年
仙台厚生病院 消化器内科医長
2003年
仙台市立病院 消化器内科医長
2006年
本荘第一病院 消化器科科長
2008年
JR仙台病院 消化器内科部長 兼 消化器内視鏡センター長
2013年
及川医院 院長

資格

  • 医学博士
    「食道静脈瘤側副血行路の形態学的変化に関する超音波内視鏡による研究」
  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本消化器病学会 消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
  • 日本消化管学会 胃腸科専門医
  • 日本消化器がん検診学会 総合認定医
  • 日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • 日本医師会認定産業医