及川医院
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高血圧(high-blood-pressure)

高血圧とは

高血圧とは、血管内を流れる血液の圧力が慢性的に高い状態を指します。
心臓がポンプのように血液を押し出す力と、血管がその圧に耐える力とのバランスが崩れたときに血圧が上昇し、全身の血管に負担がかかります。特に症状が現れにくいため、自覚のないまま進行してしまうことも少なくありません。

高血圧の定義と基準

高血圧の基準は、日本高血圧学会のガイドラインにより以下のとおり定められています。

正常血圧:収縮期血圧120mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満

高血圧:収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上

これらの数値は、診察室での測定を前提としています。家庭で測る場合は、135/85mmHg以上が高血圧の目安とされます。

血圧の測定方法と目標値

血圧は、上腕にカフを巻いて測定するのが一般的です。診察室血圧と家庭血圧では基準が異なるため、毎日同じ時間帯に家庭で記録することが重要です。治療目標は、年齢や合併症の有無により異なりますが、一般的には130/80mmHg未満が理想とされています。とくに糖尿病や慢性腎臓病を合併している場合は、より厳格な管理が求められます。

高血圧の症状とそのリスク

高血圧の症状とそのリスク

高血圧が引き起こす症状

高血圧は「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」とも呼ばれます。その理由は、初期段階では自覚症状が乏しいからです。しかし、血圧が非常に高い状態が続くと、次のような症状が現れることがあります。

  • 頭痛(特に後頭部)
  • めまい
  • 動悸や息切れ
  • 耳鳴りや視力低下

これらは一時的であることも多く、放置されがちですが、慢性的な高血圧は重大な合併症のリスクを高めます。

高血圧による合併症リスク

高血圧による合併症リスク

高血圧を放置すると、次のような命に関わる疾患を引き起こす可能性があります。

  • 脳卒中(脳出血・脳梗塞)
  • 心筋梗塞・狭心症
  • 慢性腎臓病(CKD)
  • 心不全

これらはすべて、血管への過度な負担によって引き起こされます。早期からの管理と治療が、合併症を未然に防ぐ鍵となります。

高血圧の原因と予防法

高血圧の主な原因(遺伝、食事、運動不足)

高血圧の原因には、遺伝的要因と生活習慣的要因が関与します。

  • 遺伝的要因:親族に高血圧の方がいる場合、発症リスクが高まります。
  • 塩分の摂りすぎ:食塩の過剰摂取は血圧上昇の主要因です。
  • 運動不足・肥満:血液循環が悪くなり、血圧が上がりやすくなります。
  • 過度の飲酒・喫煙・ストレス:自律神経のバランスを崩し、血圧を高めます。

高血圧予防のために実践すべき生活習慣(食事、運動)

予防には、日々の生活習慣の見直しが欠かせません。

  • 減塩食の徹底(1日6g未満が目安)
  • 野菜・果物・魚を多く含む食事
  • 毎日30分程度の有酸素運動
  • 適正体重の維持

これらの習慣を継続することで、血圧のコントロールがしやすくなり、薬に頼らず管理できるケースもあります。

高血圧治療法の選択肢

塩分を減らす食事法

高血圧の予防と改善には、食塩摂取量の管理が最重要課題です。

  • 加工食品(漬物・ハム・インスタント食品)の摂取を控える
  • 味付けは「だし」や「香辛料」で工夫
  • 外食時は「減塩」対応メニューを選ぶ

和食は塩分が多くなりがちなので、メニュー選びや調理法にも注意が必要です。

運動と睡眠の重要性

  • 適度な有酸素運動は血管の柔軟性を保ち、ストレスの軽減にも効果的
  • ウォーキング・軽いジョギング・水中運動などが推奨されます
  • 睡眠は6〜8時間が理想で、睡眠不足は交感神経を刺激し血圧上昇につながります

毎日の運動と十分な休息が、血圧管理の基本です。

ストレス管理の方法

  • ストレスは交感神経を刺激し、血圧を一時的に急上昇させます
  • 瞑想や深呼吸、趣味の時間を持つことが効果的です
  • 頑張りすぎない、無理をしないことも大切です

当院では、生活習慣のアドバイスも行っておりますので、お気軽にご相談ください。

禁酒が高血圧改善に与える影響

アルコールは血圧を一時的に下げることもありますが、習慣的に飲酒すると長期的には血圧を上昇させる要因になります。

  • 男性では1日20g(日本酒1合、ビール中瓶1本)程度までが推奨
  • 飲酒習慣がある方は、節酒または禁酒で明らかな血圧改善が期待できます

過剰な飲酒習慣の見直しは、高血圧だけでなく肝機能や睡眠の質向上にもつながります。

高血圧を治療するための医療機関選び

かかりつけ医を選ぶ際のポイント

かかりつけ医を選ぶ際のポイント

高血圧は「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」とも呼ばれます。その理由は、初期段階では自覚症状が乏しいからです。しかし、血圧が非常に高い状態が続くと、次のような症状が現れることがあります。

高血圧は、継続的な経過観察と生活指導が必要な慢性疾患です。以下のような点を重視して、かかりつけ医を選びましょう。

  • 血圧測定や生活習慣の指導を丁寧に行ってくれる
  • 治療方針をわかりやすく説明してくれる
  • 定期的なフォローアップが可能な医療機関

当院では、高血圧に関する診療と生活習慣改善の支援を行っております。ご予約はこちらから可能です。

専門医を選ぶべき場合とは

専門医を選ぶべき場合とは

以下のようなケースでは、循環器内科などの専門医の診察が推奨されます。

  • 重度の高血圧(収縮期180mmHg以上)
  • 合併症(心臓病・腎臓病など)の疑いがある
  • 薬を使用しても血圧が下がらない

及川医院では、必要に応じて専門医療機関との連携体制も整えております。まずは当院にご相談ください。

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