お風呂上がりに血圧を測ったら、いつもより高い数値が出て驚いた、という声はよく聞かれます。
血圧が高い状態が続くと、脳卒中や心臓の病気のリスクが上がります。一方で、入浴直後の数値は温度や体の動きの影響を強く受けるため、1回の結果だけで高血圧とは判断できません。
この記事では、風呂上がりに血圧が高く出る原因、受診を考える目安、入浴と血圧測定の注意点を説明します。
寒い場所では血管が縮み、血圧が上がりやすくなります。湯上がりに冷えた脱衣所や廊下で測ると、普段より高めに出ることがあります。入浴の前後で温度差が大きいほど、血圧の変動も大きくなります。
入浴直後は脈拍が速く、体もまだ落ち着いていません。この状態で測った数値は、安静時の血圧を表しません。入浴後は時間をあけ、座って落ち着いてから測ります。
熱いお湯での長時間の入浴は、発汗で水分が失われ、心拍数や血圧が不安定になります。飲酒後の入浴や、喫煙・カフェインの直後も、血圧を動かす要因です。
普段から家庭血圧が高い方は、入浴後も高い数値がそのまま残ります。ここまでの三つは一時的な変動ですが、これは治療の対象です。条件をそろえて測って比べないと、見分けられません。
判断の基準は、風呂上がりの1回ではなく、落ち着いて測った家庭血圧です。朝・晩ともに135/85mmHg以上が続く場合は、高血圧とされます(診察室では140/90mmHg以上)。次のような場合は、ご相談ください。
・落ち着いて測っても、家庭血圧が135/85mmHg以上の日が続く
・健診で血圧を指摘された
・湯上がりに立ちくらみやめまいが繰り返し起こる
・家族に高血圧や脳卒中の方がいる
強い頭痛、胸の痛み、息苦しさ、手足の麻痺、ろれつが回らない、片方の顔のゆがみ、入浴中や入浴後に意識が遠のく。これらの症状がある場合は、血圧の数値に関わらず救急要請をしてください。血圧が180/120mmHg以上で残る場合も、早めの受診が必要です。
脱衣所と浴室をあらかじめ暖めておく、お湯は40℃前後のぬるめにする、長湯と飲酒直後の入浴を避ける、入浴前後に水分をとる、湯船からはゆっくり立ち上がる。この5点で、血圧の急な変動を抑えやすくなります。
入浴直後は避け、目安として1時間前後、少なくとも数十分あけます。排尿を済ませ、椅子に座って1〜2分安静にしてから、心臓と同じ高さで測ります。記録は、朝と寝る前の同じ条件の数値を中心にします。
風呂上がりの血圧は高く出やすく、その1回だけでは判断できません。落ち着いた状態で朝・晩に測り、135/85mmHg以上が続く場合は、家庭血圧の記録と健診の結果をお持ちのうえ、ご相談ください。当院は内科で高血圧の相談を受け付けています。