健診で脂肪肝の疑いを指摘されたものの、症状がないため、そのままにしている方は少なくありません。
脂肪肝は自覚症状がほとんどありませんが、放置すると肝炎や肝硬変に進む場合があります。一方で、原因に合わせて生活を見直せば、改善が期待できる病気でもあります。
この記事では、脂肪肝の原因、症状、検査、生活改善のポイントと、受診を考える目安を説明します。
脂肪肝は、肝臓の細胞に中性脂肪がたまった状態です。自覚症状がほとんどなく、健診の腹部エコーや血液検査(AST・ALT・γ-GTP)で初めて指摘されることが多い病気です。
お酒が原因のアルコール性脂肪肝と、飲酒が少ない方に起こる非アルコール性脂肪肝があります。アルコール性の目安は、純アルコール換算で男性1日60g超、女性1日40g超が続く場合です。非アルコール性は、肥満、糖尿病、脂質異常、高血圧と関係します。飲酒のある方でも、肥満や糖尿病が重なれば両方の要因が関わります。
脂肪肝は「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓の病気で、多くの方は症状がありません。進行した場合に、だるさや右上腹部の重い感じが出ることがあります。
脂肪肝の一部は、肝臓に炎症を伴う脂肪性肝炎に進みます。炎症が続くと肝臓が硬くなり(線維化)、肝硬変や肝がんの原因になります。心筋梗塞や脳卒中、糖尿病とも関係します。脂肪肝の多くがすぐ肝硬変になるわけではありませんが、進む人を見分けるには検査が必要です。
血液検査では、肝機能に加えて血糖や脂質を確認します。腹部エコーでは、肝臓の輝度や血管の見え方から脂肪のたまり具合を見ます。線維化の程度は、血液で計算する指標(FIB-4 indexなど)で評価し、必要に応じて詳しい検査を検討します。健診の結果用紙があれば、ご持参ください。
アルコール性では、飲酒量を減らすかやめることが基本です。甘い飲み物や菓子を控え、夜遅い食事を見直し、早歩きなどの運動を無理のない範囲で続けます。肥満の方は、体重が減ると肝臓の脂肪も減りやすくなります。急なダイエットや断食は逆効果になることがあります。半年を目安に、体重と血液検査の数値を見ながら進めます。
次のような方は、症状がなくても受診をおすすめします。
・健診で肝機能の異常や脂肪肝を指摘された
・飲酒の習慣がある
・肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧のいずれかがある
・右上腹部の重い感じや、だるさが続いている
糖尿病・脂質異常症・高血圧を併せて指摘されている場合は、そちらの治療も同時に進めます。
脂肪肝は、症状がないまま進むことがあります。健診で肝機能の異常や脂肪肝を指摘された方は、結果用紙をお持ちのうえ、ご相談ください。当院は内科・消化器内科を掲げています。